手術が不要な腰痛の種類と特徴
もはや「国民病」ともいえる腰痛ですが、共通するのは加齢とともに腰まわりの筋肉や関節が衰え、こわばって柔軟性が失われることが原因だと考えられています。そんな脆さを抱えた状態のところへ、無理な動きが加わることで発症します。
しかし、一口に腰痛と言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれに対処法も異なります。
腰痛は、「ときに手術が必要で、原因を特定できる腰痛」としては、腰椎圧迫骨折、脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛などがあり全腰痛の15%を占めております。
「手術が不要で、原因を特定しづらい腰痛」には、筋性腰痛、椎間板性腰痛、椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛などがあり、全腰痛の85%を占めていることから、一般的に腰痛というときはこれを指します。
前屈腰痛(40%)は、背骨の椎骨と椎骨の間にある「椎間板」に問題があり、物を拾うなど前かがみになったときに椎間板が圧迫されて痛みが出ます。
背筋が弱い人に起きやすく、猫背や前かがみになりがちなデスクワークの人にも多いようですが、揉みほぐしても良くならないのが特徴です。
のけぞり腰痛(40%)は、電車のつり革を持つ、洗濯物を干す、赤ちゃんを抱っこするなど、反り気味の姿勢を取ったときに背骨の後ろ側にある椎間関節がぶつかることで痛みが生じます。
腹筋が弱いために反り腰になっている人に起きやすく、女性に多く見られますが、これも、揉みほぐしても改善しません。
お尻腰痛(10%)は、腰ではなく、お尻の近くにある仙骨のつけ根の歪みや炎症が原因で起こります。
特に、産後の女性に多い腰痛で、妊娠中に分泌されるホルモンの作用で緩んだ仙腸関節の靭帯が、出産後に正常に戻らないことで起きるケースが多いようです。
筋性腰痛(10%)は、いわば「筋肉痛」で筋肉の使いすぎによって起きるものです。
酷使した場所に炎症が起きた状態で、肉体労働の人や同じ姿勢を続けるデスクワークの人に多く見られます。
痛い場所をピンポイントで特定できるため、そこをほぐすと軽快します。