ダニの種類と生態
ダニは、昆虫ではなくクモやサソリの仲間です。
頭・胸・腹が一体で胴体部となっており、胴体部の前方には口器である顎体部が付属しています。
屋内に生息するダニは、「屋内塵性ダニ類」と総称され、ヒョウヒダニ(チリダニ)類、コナダニ類、ツメダニ類に別れ、この内、ヒョウヒダニ類のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニで、7∼9割を占めております。アレルギーの原因となるのはヒョウヒダニです。
■ヒョウヒダニ(チリダニ)
ほぼ1年中見られるダニで、 じゅうたんや家具等に多く発生します。
大発生すると、ダニの体や死骸、フンがアレルギー性疾患の原因であるアレルゲンとなります。人を刺すことはなく、温度20∼30℃、湿度60∼80%の高温多湿を好みます。
■コナダニ
梅雨時や秋口に増殖するダニで、高温多湿を好み繁殖力が極めて旺盛です。
人を刺すことはありませんが、大発生するとコナダニを捕食するツメダニが増殖し、そのツメダニによる刺咬被害が出ます。低温に強いので、繁殖を抑えるには湿度を下げることが有効です。
■ツメダニ
梅雨時や秋口に増殖するダニで、8∼9月は特に被害が増加します。
他のダニやチャタテムシ等を捕食しますので、これら餌になる虫が増えると多く発生します。
吸血はしませんが、稀に間違って人を刺して体液を吸うため、刺咬症の原因になることもあります。
■イエダニ
ネズミや鳥に寄生する吸血性のダニで、宿主のネズミが死んだり、ネズミの巣内で大発生したりすると、移動して人間も吸血します。
5月頃から発生して6∼9月が発生の最盛期となり、人への被害もこの時期に集中します。